都成流ってどんな戦法?3手目▲2五歩へのお手軽対策法!

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どうも!マグナスです!
今回は都成流について解説していきたいと思います。
この戦法は3手目▲2五歩と指された時に、相手のペースに飲まれないようにするための後手番の対策になります。
この戦法を知っているのと知らないのとでは将棋の面白さが変わると言っても過言ではないほど、成功時のカウンターがきれいに決まりますので、しっかり覚えていきましょう。
都成流とは
都成流の由来
都成流とはプロ棋士である都成竜馬四段が奨励会時代(当時三段)に開発した指し方になります。
将棋において自身の名前がつく戦法は他にもありますが、いずれも優れた戦法として認められたものにだけついていることから、当時三段とはいえ、非常に優れた内容であったことがわかります。
インターネット上の動画サイトでも解説動画が上がり、注目された戦法になります。
ちなみにこの都成四段、すごいイケメンです・・・。
都成流までの流れ~基本図まで
では早速どのような戦法になるか見ていきましょう。
対局開始より、▲2六歩△3四歩とした後に▲2五歩とした時に都成流の流れが発生するようになります。
途中、先手が▲7六歩としたり、後手が▲8四歩などとするとその時点で都成流にはなりません。
▲2六歩△3四歩▲2五歩が1セットとなる戦法で、冒頭でも書きましたが後手番の対策になります。
▲2五歩の時に放置すると▲2四歩から飛車先の歩を交換されてしまいます。
そのため、これを防ぐには△3三角と上がり歩の交換を拒否する手が考えられます。
この手で歩の交換は避けられますが、角を“上がらされてしまった”という感覚を持つ方も中にはいます。
実際、3三角は振り飛車によく見られる形であり、この後振り飛車にするのであればよいのですが、居飛車が得意な人は不利な戦型で戦わないといけなくなってしまいます。
一応、この後に2二銀とすることで居飛車のまま戦うこともできるのですが、序盤から相手のペースですすめられてしまうことが嫌な方はあまり気分が良くないと思います。
一方、先手の3手目▲2五歩は形をやや決めすぎているような状況であり、プロ間ではあまり指されることはありません。
しかし、前述のように相手のペースを乱すことを目的とするならば、アマチュア間であれば成立することのある指し方となります。
そのため、この▲2五歩の攻めを咎める指し方をするのが都成流の基本的な考えになります。
なんと、飛車先を受けずに△3二銀と指します。
ここで先手が▲7六歩などとするならば△3三銀と飛車先を銀で受けることができ、居飛車で指そうとする先手のペースが守られます。
そのため、先手は勢いのまま▲2四歩と早速歩の交換を狙います。
△同歩▲同飛と先手は交換に成功しますが、直後の△3一金という手が都成流の誘い手になります。
基本図となるこの局面以降、先手は指し方次第でカウンターによる大打撃を受けてしまうことになります。
基本図以下の先手への対策
▲3四歩とされた場合
基本図で先手が放置すると△3三銀と飛車取りに当てられてしまいます。
▲2三飛成は△2四歩で龍を閉じ込められてしまい失敗してしまいます。
そのため、まずは先手が飛車を動かす手から見ていくことにします。
まず、▲3四歩と横歩をとった場面では、先手に1歩得をされてしまいますが…。
△4四角が返し技になります。
この手に▲3六飛と逃げた時は△3三銀と上がります。
角の効きにより飛車が2筋に簡単に戻れなくなっており後手が指しやすくなります。
そのため、▲2四飛と2筋に早めに戻りますが、ここで後手には2つの指し手が出てきます。
1つは△3五角とし、飛車取りと△5七角成を狙った手です。
馬を作ることができれば有利に局面をすすめることができるでしょう。
そしてもう1つが△3三銀と飛車を追い返す手です。
この手に▲2三飛成は△2四歩~2二金で龍取りに成功します。
▲2八飛と自陣へ戻るしかありませんが、△2六歩と角の効きを活かした一手で飛車を閉じ込めます。
せっかく攻めていた飛車が自陣へ戻ってしまい、さらに閉じ込められてしまっては先手の攻めは失敗したと言わざるを得ません。
先手は角の効きを無くすために▲7六歩と角交換を狙いますが、△2二飛と回る手でその狙いが消えてしまいます。
後手の次の狙いは△2七歩成からの逆襲です。
2七の地点を受けるために▲3八銀としますが、後手はここで△8八角成と角交換を行います。
▲同銀に△2七角とすぐさま打ち込み、強引に2筋突破を狙います。
▲同銀は△同歩成、放置も△5七角成と引き、次の△2七歩成を狙って後手優勢です。
基本図からの▲3四歩は成立しないことがわかりました。
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▲7六歩とされた場合
次は基本図から▲7六歩と角を活用しようとした場合です。
この場合は△8八角成といきなり角交換をします。
▲同銀に△3三銀と飛車を追い返します。
中途半端に引いてしまうと角を打たれ飛車取りを角成の両方を受けないといけなくなってしまいますので、▲2八飛と深く引きますが・・・。
△2七歩というたたきの歩の手筋が厳しい手です。
▲同飛に△4五角と結局飛車取りと角成の両方の攻めを受けることになってしまいます。
後手の持ち駒に歩が無いことから▲2三飛成としますが、△6七角成で歩を補充し、龍の閉じ込めと8九の桂取りの両方を狙います。
こうなれば完全に後手ペースになり、先手の作戦は失敗となります。
▲2八飛とされた場合
最後に▲2八飛とされた場合の対応です。
先手としては下手に飛車を動かして狙われるより、じっと引いておくこの手が一番良いとされています。
そのため、後手は相手の飛車をすぐに活用できないよう、抑え込みを狙っていきます。
△4四角とこれまで同様、2筋からの逆襲を狙います。
次の歩打ちに備え、▲3八銀と上がりますが、△3三銀と飛車を回る準備をすすめます。
この後、先手は▲2四歩とするのが受けになります。
▲2三歩成を受けるため△2二歩と打ちますが、これで飛車が回れなくなってしまうのです。
ただ、先手の飛車先は些細なことで逆襲されやすい状況に変わりはないので、この後も慎重な指し方が求められます。
では▲2四歩としなかった場合はどうなるのでしょうか。
例えば▲3六歩とした場合、△2六歩▲7六歩△2二飛とすすみます。
先手の飛車先を歩で止めてから飛車を回るというこの手順を覚えましょう。
以下、角交換の後に△2七角で飛車先を無理やりこじ開けにいく手が有力です。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
今回は都成流について解説しました。
都成流のポイントは、
- ▲2六歩△3四歩▲2五歩と進んだ時の後手番の対策手である
- 先手の飛成を誘い閉じ込めを狙う
- 誘いにのらない時は2筋からの逆襲を狙う
- △2八飛~△2四歩が先手の最善手
の4点になります。
知らないとハメられてしまう指し方になるので、もし相手が勢いにのって攻めてきたら、都成流でカウンターをお見舞いしてやりましょう。
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